ヴィラミンピの話題の際に少し触れた、バリ在住の日本人Tさん。
私がTさんと親しくさせてもらうようになったきっかけは、当時通っていたスクールの"インタビュー課題"。
前々からファンだったTさんのお店「ガジャガジャ」で食事をしていた時でした。
一眼レフを抱えて女の子が一人食事しているのが珍しかったのか、Tさんが声を掛けてくれ、
そこで私がインタビューをお願いしたのがはじまり。
話しているうちに意気投合し、閉店時刻を過ぎても話込んでしまったのを今でも覚えています。
当時のインタビューから、Tさんの仕事に対するスピリッツを感じてもらえると嬉しいです。
--------------------------------------------------------------------------------
お寺の住職のような坊主頭に、短パン、サンダル姿。
バリ島でそんな出立ちの男性を見かけたら、それは「ガジャガジャ」の
オーナー・田口慎也さんかも知れない。
バリ島にある、多国籍レストラン「ガジャガジャ」。
「ガジャ」とはインドネシア語で「象」を意味し、その名の通り真っ白な
巨大象の彫刻が、来店する人達を出迎えてくれる。
店内は開放感溢れるオープンエアで、チーク材で統一された家具は、全てがオーダーメイド。
インテリアはシンプルながらも、随所に田口さんのこだわりが反映されている。
メニューはインデアン、イタリアン、インドネシアン、ヨーロピアンと、多種多様。
中でも、たっぷりの野菜が溶け込んだ「チキンカレー」と、
ほんのり甘くてジューシーな「タンドリーチキン」は、一度食べたら忘れられない味だ。
田口さんは、1996年に「バリならではの料理を、日本人にも抵抗なく食べてもらいたい」との
思いから、この店を始めたという。
「日本米に近いシガラジャのお米、バリのものよりまろやかなシンガポールのスパイスなど、
材料にも工夫をしているかな」。
また日本人にとって、冷たいおしぼりのサービスも嬉しい。
豊富なレシピや食材選定のきめ細かさから、長い調理師経験が伺えた。
だが、「実は僕は国鉄で十年間勤務していて、その頃の飯炊き当番が
原点かも知れないね」と、意外な返答。
「入社当初から、大きい組織の歯車として働くよりも、自分の力で仕事をやりたかった。
それで入社5年目には、倉敷に開いたBARと二足のわらじを履いてたなあ」。
活き活きとした眼差しで、当時を振り返る田口さん。
しかし、どうしてバリだったのか。
「社員旅行なんかでバリに数回来て、ここだって直感があったんだね。
家族愛の強さとか、今の日本にはない素朴なものが、僕にとって魅力だったんかな」。
また田口さんは、倉敷でバリの輸入雑貨店も経営しているため、現地の人と交渉の機会も多い。
しかし、インドネシア語、英語共に殆ど話せないという。「本当に心が通じてるかどうかは、
お互い自然と気持ちよさが伝わってくるものやと思うよ。言ってることは分かるから、それで十分」。
まさに、田口流。
事実、田口さんの溢れんばかりの人間味と、ユーモアたっぷりのジェスチャーに、
周囲から笑いが絶えることはない。
「まだまだ、十歳は若い気持ちで仕事をやっとるからね」。
そう話す田口さんの瞳は、蝶を追う少年のように爛々と輝いていた。
(2001年1月)
--------------------------------------------------------------------------------
もう「ガジャガジャ」のチキンカレーが食べられないと思うと、本当に寂しい限り・・・
とはいえ、もうすぐオープンのヴィラミンピでその味に出会えるかも知れませんね。
VILLA MIMPI(ヴィラミンピ)
Delodadonan Pererenan Mengwi.DT Badung Bali Indonesia
http://www.villa-mimpi.com/
--------------------------------------------------------------------------------
